お墓の引越し
墓石の種類について
「墓石」にはいろいろな種類があるというのはご存知ですか?実はいま、国内で取り扱われているだけで300種類もの石のブランドがあります。それぞれの石によって共通点や特徴があります。
墓石の種類
●石のできかたは大きく分けて種類「火成岩」「堆積岩」「変成岩」
火山活動などでマグマが地表に出てきて、冷え固まったものを「火成岩」といいます。花崗岩など、多くの石がこの「火成岩」です。川や海などのそこに砂が積もり、固まって石になったものを「堆積岩」といいます。そして、高温や高圧によって性質が大きく変化してできたものを「変成岩」といいます。
●火成岩 ー墓石に最もよく使われている岩ー
火成岩はマグマが冷えて固まった岩のことです。そのうち、火山や地表の浅いところで急激にhにやされてできるものを「火山岩」といい、地下深くでゆっくりと冷やされてできるものを「深成岩」といいます。墓石によく使われるのはこの「深成岩」の中に含まれる花崗岩と言われるものです。花崗岩は「御影石」とも呼ばれます。(ただし、「御影」と名のつくもので花崗岩ではないものも存在します。)
さらにこの「花崗岩」産地によって色や模様が大きく異なるので、それぞれ別の名前で呼ばれています。例えば「稲田石」「大島石」などはいずれも分類としては同じ花崗岩ですが、見た目は全く異なります。また「墓石のダイヤモンド」とも言われる「庵治石」は、深成岩の中でも「緑閃石(花崗緑閃石)」と言われる部類に分類されます。
深成岩である花崗岩はとても硬く、加工しにくいという特徴があります。それにもかかわらず墓石として広く使われている理由は、硬いからこそ、風化に強く、長持ちしやすいためです。
●庭石などに使われる「大谷石」などの堆積岩
堆積岩とは、砂利や石、砂、泥などが海や湖の底にたまり、それが長い年月を掛けて固まって岩石になったものです。元々は火成岩など他の理由でできた岩が、風雨にさらされることで砂、砂利になって堆積することもあれば、動物の骨やサンゴなど、動植物が元となってできた細かい砂が積もることもあります。
堆積岩で最も有名なのは「石灰岩」です。これは炭酸カルシウムが時間をかけて岩になったものです。石灰岩の多くは、サンゴや貝類など、生物起源のもので、化石を含むことも多くあります。石灰岩は山になっていることもあり、日本の武甲山や伊吹山は全山が大きな石灰岩でできています。
堆積岩は他に「凝灰岩」と言われるものがあります。これは火山から噴出した火山灰が積もり積もって岩になったものです。火山灰の性質によって、できる石の性質も異なります。栃木県宇都宮市で採れる「大谷石」(おおやいし)は柔らかく加工がしやすいうえに、耐火性に優れていることから、土蔵や石塀、パン屋ピザの石窯などによく使われてきました。
堆積岩 ── 凝灰岩 ──大谷石・札幌軟石
●ヨーロッパの彫刻などに使われる「大理石」とは?
ギリシア・アテネの神殿の柱や、ローマの人物像など、西洋では多くの建造物や作品が白い石で作られています。あれは「大理石」でできています。大理石とは、石灰岩が固まってできたものです。性格としては柔らかく彫りやすい特徴があります。逆に、酸性雨などの影響を受けやすく、風雨にさらされて溶けていってしまうこともあります。
日本でお墓の材料に使われることもありますが、水を吸って色が変わったり、墓石としての形状を保つことができなかったリするため、あまり使われません。
変成岩 ── 大理石・千枚岩・結晶片岩など